みなさんはエレキギターなどの電子楽器を練習する時、どのように音を出して練習していますか?
- 生音で練習する
- アンプに繋いで練習する
- ヘッドフォン・イヤホンで練習する
これらの音出しには、それぞれ練習しづらく思うポイントがあります。
そんな不満を解消してくれる商品が「BOSS」から発売されたワイヤレスヘッドフォンの「WAZA-AIR」です。
実際に使ってみると、かなりおすすめできる商品でしたので今回ご紹介させていただきます。
WAZA-AIRを使用すれば、音源を聴きながらさらにワイヤレスで臨場感ある音を楽しめるので練習もより一層楽しめますよ
WAZA-AIRを半年間使用してみたレビューをお伝えし、商品の気になる点や疑問点が解消できれば嬉しいです。
ちなみに筆者は、このWAZA-AIRに出会うまではオーディオグラスと有線ヘッドフォンを両使いして、ギターの練習をしていました。
この方法では、複数の機器を設定する必要があり、また、有線の煩わしさを感じていたので、WAZA-AIRに変えたことでかなり快適になりました。
オーディオグラスと有線ヘッドフォンの両方使いはBose Framesのレビューでお伝えしています▼
【外観】クセがあり好みの分かれるデザイン
商品の同梱物は、
- ヘッドフォン本体
- トランスミッター
- Micro-USBケーブル
- 説明書・注意書きなどの書類
となっています。
まずは、それぞれの外観について見ていきます。
パッケージ・付属品
パッケージは全体が黒色でまとめられており、商品の雰囲気が伝わってきます。
形取られた硬めのスポンジにヘッドフォン本体とトランスミッターがしっかりフォールドされています。
高級感があり、見ているだけでワクワクします!
説明書は1枚でまとめられており、初期設定などの使い方が記載されています。
充電ケーブルは最近主流のType-CではなくMicro-USBケーブルです。
ヘッドフォン本体
ヘッドフォン本体のカラーはブラックとクローム・メッキの2色使いで男らしいデザインになっています。
ハウジング部分の「技 」マークはかなり主張されています。
個人的にはクラシカルやナチュラルなデザインが好きなので、見た目よりも機能重視で購入しました。
スクエア型のフォルムをしたイヤーパッドは柔らかい作りになっているため、心地よい装着感になっています。
イヤーパッドの中からは50mmのダイナミックドライバーが顔を覗かせています。
このサイズ感だからこそ臨場感あるサウンドが楽しめます。
本体のサイズ・質量
ヘッドフォン本体の質量は実測で327g。
適度な重量感はありますが、そこまで重いとは感じません。
ヘッドバンドは無段階に長さを調整できます。
頭の形にフィットするので長時間着用してもずれ落ちませんし、音漏れも少ないです。
ただし、締めつけはちょっと強めに感じました。
筆者の場合、2時間着用すると耳周りが痛くなりました。
本体操作ボタン
ハウジング周りにはスイッチやボタンがたくさん付いており、操作するのがちょっと難しそうに見えます、、
ですが、一度使えば操作はそんなに難しくありません。
ボリューム操作はもちろん、エフェクトパターンをヘッドフォン本体から切り替えることもできるので便利です。
操作方法の詳細はこちらからジャンプできます。
また、WAZA-AIRには外部出力端子は付いていないので、録音をしたいという方には向かないかもしれません。
トランスミッター
トランスミッターはプラスチック製ですが堅牢性が高そうな質感となっています。
サイズ、質量ともに卵と同じくらい軽量・コンパクトなのでギターに挿してもほとんど邪魔になりません。
ちなみに、トランスミッターは他のBOSSワイヤレス製品のWLシリーズと同一なので、万が一失くしても使い回せます。
筆者が所有しているBOSS WL-20のトランスミッターでも代用できることが分かりました。
保管におすすめな専用ケース【別売り】
ヘッドフォン本体とトランスミッターをバラバラに保管すると紛失の心配があります。
専用ケースが別売りで販売されているので、紛失が心配な方や保管場所に困る方はあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
【操作性】ボタンが複数あり使い方色々
操作は初見では分かりにくいので慣れが必要です。
その分、機能もたくさん付いているので使いこなせば便利です。
電源・充電
『ヘッドフォン本体』と『トランスミッター』の電源と充電方法についてお伝えします。
ヘッドフォン本体の電源・充電
ヘッドフォン本体の電源スイッチは左耳側の側面に付いています。
「ON」の文字が付いているので分かりやすいです。
スイッチの「ON」の反対側は「CHARGE」となっており、本体を充電する時に切り替える必要があります。
充電は左耳側のMicroUSB端子から行います。
満充電まで3時間かかるのはちょっと長く感じます。
トランスミッターの電源・充電
トランスミッターの電源はプラグをギターのジャックに挿入することでONします。
ヘッドフォンやギター本体にトランスミッターを差し込んだままにするとバッテリーが消費してしまうため、取り外しておく方がいいです。
トランスミッターの充電は本体と同様にMicroUSBケーブルで行います。
トランスミッターの充電時間はヘッドフォン本体と同じ約3時間です。
ですが、それぞれバラバラに充電する必要があるので少し面倒です。
Bluetooth接続
Bluetooth接続は3つあるのでややこしいです。
- トランスミッターとヘッドフォンの接続
- スマホ(BTSアプリ)との接続【WAZA-AIR MIDI】
- ヘッドフォンとスマホ(音源)の接続【WAZA-AIR Audio】
【】はスマホに表示されるBluetoothデバイス名です。
トランスミッターとヘッドフォンの接続
使用するには、まず、ヘッドフォンとトランスミッターをペアリングする必要があります。
一度ペアリングしてしまえば、2回目以降は電源ONと同時に接続が開始されます。
ギターにトランスミッターを挿して、本体の電源を入れただけでは音が鳴らないので注意してください。
スマホ(BTSアプリ)との接続
エフェクターやパッチの設定を変えるためにはWAZA-AIR専用のBTSアプリを使用します。
BTSアプリの詳細はこちらからジャンプできます。
ヘッドフォン本体とスマホ(音源)の接続
スマホで音源を流すにはヘッドフォンとスマホをBluetoothで接続する必要があります。
ボリューム調整
ボリュームの調整は
- ギターのボリューム
- スマホ音源のボリューム
の2つに対して調整可能です。
ギターのボリューム調整
ギターのボリュームは回転式のつまみを回すことで調整できます。
スマホ音源のボリューム調整
スマホ音源のボリュームもヘッドフォン本体から調整可能です。
調整はBluetoothマルチ・ファンクションボタンを「+」「-」の方に倒して行います。
エフェクトパッチ切り替え
BTSアプリで組み合わせたエフェクトのパッチは6つ記憶しておくことができます。
記憶したパッチは本体のアップ/ダウン・ボタンから呼び出し/切り替え可能です。
パッチをワンタッチで切り替えられるので、曲の途中で音色の切り替えも可能です。
さらにスムーズなパッチの切り替えをしたい方は「EV-1-WL」のワイヤレスMIDIエクスプレッションペダルを検討してみてはいかがでしょうか。
EV-1-WLはエフェクトのコントロールやパッチの切り替えを足元で操作できます。
チューナー機能
WAZA-AIRにはチューナー機能が付いているので、わざわざ別にチューナーを用意する必要がなく有難いです。
そして、このチューナー機能はなんとスマホ(BTSアプリ)を介さずに本体の操作だけで使えます。
チューニング時の電子音 | チューニングの状態 |
高音→低音(ピッピ♪) | ピッチが低い状態 |
同じ音が2回(ピッピ♪) | ピッチが合っている |
低音→高音(ピッピ♪) | ピッチが高い状態 |
本体だけの操作でチューニングできるのは画期的ですが、電子音で判断するため慣れが必要です。
BTSアプリを使用したチューニングでも十分便利なので、使いやすい方でチューニングしましょう。
【サウンド】ついつい練習したくなるほどの臨場感
気になるWAZA-AIRの音は、立体感を感じるサウンドで弾き心地が最高にいいです。
ステージで演奏している感覚とまでは得られませんでしたが、これまでのアンプシュミレーターを通した薄っぺらい音に比べて音に厚みや空間がまるで別物に感じます。
WAZA-AIRはジャイロセンサを内蔵していて、より音の指向性を体感することもできますが、個人的には、ジャイロ機能は使わないSURROUNDモードがおすすめです。
ジャイロ機能はアイデアとしては面白いですが、
- そこまで正確な音場を感じられない
- 手元を見るなど顔を下に向けるとジャイロの精度が狂う
- 音の指向性によって聞こえ方が変わるので気になって練習にならない
といった理由から、遊びとして試してみる程度でした。
遅延・音切れの問題なし
一般的にワイヤレス通信は通信処理などで遅延が生じる可能性があります。
WL-20ではレイテンシーが2.3msと公表されており、WAZA-AIRでも同程度と思われます。
実際にはエフェクト処理などが追加されているので、もう少し遅延が発生しているかと思いますが、遅延は全く気になりません。
また、音切れもないので本当にストレスフリーで練習できます。
【BTSアプリ】機能豊富!使い勝手はイマイチ
BTSアプリは『BOSS Tone Studio』の略称で、エフェクターやパッチの設定を行えるWAZA-AIR専用アプリです。
その他、バッテリー残量の確認やチューナーなど様々な機能があります。
アプリの見た目はシンプルで一見使いやすそうですが、使いづらく感じるポイントがいくつかありました。
ここでは、エフェクターやアンプシュミレーターなどを設定できるEDITORの『使い方』と『操作性(使い勝手)』についてお伝えします。
ジャイロ機能(GYRO AMBIENCE)
WAZA-AIRはヘッドフォン本体にジャイロセンサが搭載されています。
ジャイロセンサにより頭の回転を検知して、サウンドが定位置から聞こえるように調整することができます。
このジャイロ機能の有無を含む立体音響のモードは4つから選べます。
モード | ジャイロ機能 | 説明 |
STAGE | ON | 頭を回転させても常に後ろからサウンドが聞こえる |
STATIC | ON | 頭を回転させても常に前からサウンドが聞こえる |
SURROUND | OFF | 常に一定の方向(初期設定では前方)からサウンドが聞こえる |
OFF | OFF | 通常のステレオサウンド |
私はいつもSURROUNDモードで練習しています。
アンプシミュレーター・イコライザー(AMP/EQ)
BTSアプリでは5つのアンプシュミレーターと3つのイコライザー調節が可能です。
イコライザーは基本の3音域である
- BASS
- MIDDLE
- TREBLE
が設定できるので、初心者でも使用しやすいです。
より細かくイコライザーを調整したい場合は、エフェクターの設定からも調整することが可能です。
エフェクター(EFFECTS/PRESENCE)
BTSアプリで設定できるエフェクターは50種類以上豊富に用意されていてます。
歪み系や空間系はもちろんのこと、アコースティックシミュレーターやシングル/ハム・コイルのシミュレーターなどもあるので、エフェクターの種類を変えるだけでかなり遊べます。
ただ、このエフェクターの設定方法は少し難ありです。
- 一つの調整パラメーターに2つの機能が入っているので設定しにくい・切り替えしにくい
- 現在、何のエフェクターが設定されているかパッと見で分からない
- DELAY設定が2つある
『1. 一つの調整パラメーターに2つの機能が入っているので設定しにくい・切り替えしにくい』
エフェクターの中で
- BOOSTERとMOD
- DELAYとFX
は同じパラメーターに割り当てられているので、これらのパラメーターは同時に使用できません。
また、この2つのパラーメーターは画面を上下にスワイプすることで切り替わるのですが、もう一方のパラメーター設定とも連動しているので操作しにくく感じました。
『2. 現在、何のエフェクターが設定されているかパッと見で分からない』
EDITORのトップ画面からはカラー表示でエフェクト内容が示されるのみなので、何のエフェクターが使われているかは「EFFECTS > EDIT」で確認する必要があります。
トップ画面からも把握できるように改良されるとありがたいです。
『3. DELAY設定が2つある』
DELAY設定はEDITORのトップ画面で表示されているDELAYと、REVERBのEDITから設定できるDELAY2の2通りあります。
REVERBの設定では3つのモードから選択でき、DELAY2で選択したディレイとリバーブを組み合わせることができます。
最初のうちはこの仕様が分からず、DELAY2ってなんだ?という状態でした。
細かい設定を気にしない方なら特に問題ありませんが、設定を色々いじってみたい方にはややこしく感じるかもしれません。
【まとめ】スマホ音源に合わせて練習できるから超便利!
WAZA-AIRを使えば、音源を聴きながらさらにワイヤレスで臨場感ある音で練習できます。
使ってみてイマイチな点もたくさんありますが、それを上回るほど『音源を流しながらワイヤレスで臨場感あるサウンドを楽しめる!』というのが最高にいいです。
一度試すと手放せなくなりますよ。
楽器の練習にヘッドフォンをお探しの方は『WAZA-AIR』を是非ご検討ください。
メリット | デメリット |
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